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記者の眼

この夏、忘れてはならない「デング熱」
蚊の季節、重症型デングと国内感染の脅威が迫る
デング出血熱の報告が既に3例に

 感染症の専門家が参加するメーリングリストで、気になる情報がもたらされた。インドネシアで、デング熱患者が急増しているという。同国は、日本の輸入感染例の推定感染地として、常に上位に名前が挙がる国の1つだ。日本は、これから蚊の季節を迎えるだけに、輸入感染例を起点とした国内感染のリスクが高まる。また、今年に入ってから、既に3例の重症型デングデング出血熱)が確認されているのも気がかりだ。

 早速、今年半年間の感染症動向を振り返ってみた。すると、ここ数年、減少の一途をたどっていたデング熱の患者数が、昨年を上回るペースで増えていることが分かった。デング出血熱は、第2週、第5週、第7週に、それぞれ1例ずつ確認されている。

 2019年のデング熱の患者報告を見ると、1月は32人で、1月としては感染症法の全数報告疾患に指定された2006年以降、最多を記録。2月の17人、5月の36人も同月の過去最多だった(図1)。累計患者数は149人と、既に昨年実績(201人)の74%を超えている。

 幸い、報告例は全て国外で感染した輸入感染例で、国内感染例は今のところ確認されていない。

 とはいえ、輸入感染例の報告が全国から寄せられていることには留意すべきだろう。累計患者数を都道府県別に見ると、東京都が46人と最も多く、大阪府が19人、神奈川県が14人、千葉県が13人、愛知県が11人だった。ここまでが二桁以上で、これに福岡県(7人)、茨城県、京都府、兵庫県がそれぞれ4人で続く。報告があるのは、27都道府県に広がっている。

 日本では、沖縄地方から東北地方まで、ヒトスジシマカの生息が確認され、今や北限は青森県にまで達している。蚊の対策は、全国規模で進めなければならない。

図1 デング熱患者の届け出数の推移
(国立感染症研究所のデータを基に作成。2019年は6月まで)

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