米国と中国の技術覇権争いが、バイオ・医学分野の研究にも及んでいることをご存知だろうか。

 米国政府が、中国の通信機器大手のHuawei社(華為技術)と米企業との取引を原則禁止する方針を打ち出したのは、記憶に新しいところ。同様に米国では、公的資金で実施されたバイオ・医学分野の研究成果についても、中国政府を含む外部機関に不当に利用されているのではないかという懸念が年々大きくなっているという。

 その懸念は、2018年夏、NIHのフランシス・コリンズ所長が全米の大学や研究機関へ送付した書簡で明文化された。NIHは、米保健福祉省(HHS)傘下で様々な医学研究を手掛ける研究所の集まりであるとともに、年間300億ドル(約3兆2000億円)以上という莫大な研究費を、バイオ・医学分野の研究者に配分している政府機関である。コリンズ所長は書簡の中で、「残念ながら、米国のバイオ・医学分野の研究の清廉性を脅かしている存在がある」と明言。具体的に3つのケースを挙げて、懸念を表明したのだ。

米NIH、一部の中国系研究者を相次いで追放の画像

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