医療機関で、担当医師に呼ばれて診察室に入る。目の前に座っている医師は年配で、こちらをちらりとも見ずに画面を見ている。どうやら不機嫌そうだ。

 またある時の医師は、どうやら自分より年下で、ややバタバタとしながら、教科書をパラパラとめくって少し考え込む素振りを見せつつ、診療に当たっている。

 この2例は、筆者が最近友人から聞いた、受診時の医師の振る舞いだ。前者は医師をこれ以上不機嫌にさせまいと緊張し、後者は医師への信頼が少し損なわれる感じがしたといいう(筆者としては、目の前の医師が教科書を確認してくれたら誠実さを感じて信頼度が高まるが)。体調が悪く、救いを求めて医療機関を受診した患者たちは、医師の一挙手一投足を見て、いろいろなことをくみ取っている。

 一方でこれは、医師にとってもなかなかのプレッシャーなのではないだろうか。医師も人間だ。空腹なこともあれば体調不良にもなるし、当直明けで疲労困憊だったり、プライベートでむしゃくしゃしていたり、頭から離れないことがあってやや上の空になったりもするだろう。常に患者の目を見てにこやかに、全ての知識を頭の中に入れて診療を進めるには大変な努力が必要だ。病院外でも、患者に会うかもしれないと考えると、気が抜けないことはあるだろう。

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