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記者の眼

「PR下手」では患者減も求人難も乗り切れない

 日経メディカル Onlineの「医療経営」というサブサイトを担当している関係で、普段、診療所の経営者やコンサルティングに関わる方々から話を伺う機会が多い。その中で、経営に関する課題として話に出ることが多いのは、やはりスタッフの人事管理の問題だ。

 最近は、これに「外来患者数の伸び悩み」と「人材採用難」の話が加わることが多くなった。前者に関しては、地域によっては既に人口減少に見舞われているほか、全国的に受診抑制の傾向が続いている。以前にも本欄で述べたが、受診動向を示す指標の1つである「入院外のレセプト1件当たり診療日数」は近年減少傾向にあり、2005年の1.85日から、2015年には1.58日にまで減少した(厚生労働省保険局医療課の資料による)。

 一方で、人材採用を巡る状況も悪化しており、事務職員の採用については一般企業、看護職は介護事業者などとの厳しい競争に直面。求人をしても応募がないという事例も出てきている。

 こうした状況に対し、診療所は様々なテコ入れ策を講じている。増患に関しては病院や介護事業所との連携強化、人材採用に関しては処遇の見直しや採用ルートの拡大などといった具合だ。

 ところが、ウェブサイトやブログなど、増患にも人材採用にも有効なPRツールについては、強化されずに“放置”されているケースが多い印象だ。競合施設がないような地域ならともかく、大都市圏でもあまり力を入れていないと思われる診療所が少なくない。ウェブサイト自体がないところもあるし、あったとしても、院長の専門分野や診療内容、受付時間など最低限の情報しか掲載されていない例が目立つ。もちろん医療法の広告規制の制約はあるが、その中でも様々な形で自院の強みをアピールできている診療所と、そうでない施設の差は広がっているように見える。

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