「自分のところは大丈夫」
 写真は2011年6月に私が撮影した岩手県立陸前高田病院だ。町の中心部の建物はほとんどなく、病院の建物だけがポツンと残っているこの写真を見るだけでも、大津波の凄まじさを感じ取ることができる。現在この辺りは10m超の盛土によって、全く違う風景が広がっている。

 3月11日から1週間が過ぎた。世の中は大震災のことを再び忘れ始めた。流石に8年も経ったからか、今年の11日前後の震災関連報道も、小粒かつ定形になってきた印象を拭えない。テレビでは、NHKが約1週間、様々な特番を組んだ以外は大きく扱かった局はなかったようだ。

 震災の記憶の風化はある意味仕方がないだろう。しかし、東日本大震災や熊本地震での経験を生かし、南海トラフ地震はじめ、再び日本を襲うと予測されている大震災に、人々が相応の準備をしているかというと、はなはだ心もとない。医療機関しかりだ。皆、「自分のところは大丈夫」だと、未だに根拠なく思い込んでいる。

「病院を大津波が襲った日」を今改めて読む意味の画像

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