希少疾患に対する医薬品開発の難しさを取材する機会があった。その疾患は進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2型(PFIC2)といい、常染色体劣性遺伝形式を取る難治性の肝疾患だ。乳幼児期に黄疸や皮膚掻痒感、成長障害などの症状が現れ、放置すれば肝硬変に至る。治療としては生体肝移植が行われるが、再発する患者がいる他、生体肝移植後は一生免疫抑制剤を飲み続けなければならず、費用もそれなりの負担になる。

 家族性の肝内胆汁うっ滞症はかつてバイラー病と呼ばれていたが、現在は原因遺伝子が特定されて幾つかのタイプに分けられている。PFIC2の原因遺伝子は、肝細胞の膜上に発現し、肝細胞内から毛細胆管に胆汁酸を排泄する機能を担うABCB11というトランスポーターの遺伝子で、変異を有するとBSEP(bile salt export pump)と呼ばれるトランスポーターの機能が低下する。すると肝細胞内に胆汁酸が蓄積し、肝障害を引き起こす。

非常に希な疾患に対する医薬品開発の困難さの画像

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