今からおよそ6年前の2013年6月、厚生労働省は子宮頸癌ワクチンについて「接種を積極的にはお勧めしません」と全国に通達を出した。

 子宮頸癌ワクチンは世界120カ国以上で認可されており、その予防効果は世界保健機関(WHO)も認めている。日本は米国や欧州から3年遅れて2009年末に認可した。2014年4月に予防接種法を改正して、無償で接種が受けられる「定期接種」の対象に格上げしたばかりだった。わずか2カ月余りで、評価が一変することになった背景には、マスコミの偏った報道があった。

 子宮頸癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症する。性行為を行う女性の50%から80%が、生涯で一度はHPVに感染すると報告されている。感染したとしても、90%以上の場合、ウイルスは2年以内に自然に排出される。しかし、ウイルスが自然に排出されず、数年から数十年にわたって持続的に感染した場合、癌になる可能性が高まる。

 日本では毎年1万人近くが新たに子宮頸癌と診断され、1年に約3000人が死亡する。特に20代から30代の女性がかかる癌として最も数が多く、「マザーキラー」という異名が付くほどだ。

「マザーキラー」を増殖させるワクチン後進国の画像

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