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 「女性の方は土俵から降りてください」――。今春、あのアナウンスで注目を浴びた事故をご記憶でしょうか? 京都府で開催された大相撲の春巡業で、挨拶中に土俵上で倒れた舞鶴市長に十数名が駆け寄り、心肺蘇生CPR)を実施する様子が話題となりました。土俵の上は女人禁制。このとき駆け寄った人の中に女性がいたため、冒頭のアナウンスが繰り返されました。

 まず人が集まって胸骨の圧迫を始め、その間にAEDや担架を持った人、現場周辺で待機していた救急救命士が酸素を持って駆け付け、倒れて5分以内に現場を離脱しました。くも膜下出血を来していた市長に、この心肺蘇生がどの程度奏功したかは分かりませんが、一般に心停止を来した人を見たとき、このようにパーフェクトな1次救命処置(Basic Life Support;BLS)ができれば、命を救う確率は大幅に向上します。

 ただし、突然の心停止の発生場所は、自宅が約7割。つまり、医療従事者など心肺蘇生のスキルを持つ人がスタンバイしていない環境での発生件数が多く、自宅で発生したときの救命率は約3%とかなり低いのが現状なのです。医療従事者も、普段救急の現場に接していなければ、とっさの心停止に対応できるとは限りません。また、自らが自宅で倒れたときの救命率を高めるためにも、家族に心肺蘇生を覚えておいてもらうと心強いでしょう。

 そこで、心肺蘇生のトレーニングをもっと身近にすべく、一般社団法人ファストエイドが開発したキットが「CPR TRAINING BOTTLE」です。中身は、ペットボトルと訓練用簡易シートとなっています。

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