昨今、遺伝子やメタボローム解析技術の発展により、ヒトの腸内細菌叢と、疾患の発症や悪化との相関を解析する研究が盛んだ。腸内細菌叢が乱れると、様々な疾患の発症や悪化と関係することが示唆されている。例えば、感染性腸炎や、クロストリジウム・ディフィシル菌感染(Clostridium difficile infection:CDI)によって起きる偽膜性大腸炎、炎症性腸疾患(IBD)、大腸癌など腸に関連する疾患だけではなく、喘息やアレルギー、肝疾患、精神疾患、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病などとの関連も報告されている。

 腸内細菌叢の乱れと、疾患の発症や悪化は関係があるとみられるものの、そのメカニズムまで解明されているものは少ない。腸内細菌が腸管免疫を刺激することで生じる現象に起因するとされたり、腸内細菌が分泌する代謝物が血流に乗って全身に回り、免疫細胞や神経細胞、各種細胞に作用することが指摘されている。

 筆者は、2018年10月の日経バイオテクの特集で「腸内細菌叢と癌治療」の特集記事をまとめた。特に、効果を示す患者が2割から3割と言われる免疫チェックポイント阻害薬の効果予測や、治療効果の増幅と腸内細菌の関わりを調べる基礎研究を中

腸内細菌の研究が活況、しかし課題もの画像

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