やや旧聞となるが、2018年2月19日号の『Nature Biomedical Engineering』誌に興味深い論文が掲載された。ディープラーニング(機械学習)を使って、網膜眼底画像から心血管リスク因子を予測する手法を開発したという(記事はこちら))。私が興味を持ったのは、投稿したのが米Google社の研究者だったことだ。

 Google社の取り組みはまだ研究段階ではあるが、AI人工知能)を使って診断する医療機器は既に実用化されている。米食品医薬品局(FDA)は2018年4月、糖尿病性網膜症の診断に「IDx-DR」を認可した。専用の網膜撮影用カメラで撮った眼底画像をAIが解析する。

 この手のAIの話題が出ると、必要以上に悲観論に走るのがメディアのクセである。「AIが人の仕事を奪う」という、いつものそれだ。書店に行けばAI本が平積みとなっており、その多くは「20X0年には今ある仕事の6割がなくなる」と煽り立てている。本当にそうなのだろうか。大いに疑った方が賢明だ。

AIなんて「デキのいい電卓」に過ぎないの画像

ログインして全文を読む