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記者の眼

周術期の抗凝固療法、踏み込んでいるのは欧?米?どっち?
5/28発行『国際標準の診療ガイドライン』から

国際標準の診療ガイドライン』(5月28日発行、日経BP社)

 日経メディカルでは、この5月28日に『国際標準の診療ガイドライン』(原題:CURRENT Practice Guidelines in Primary Care 2018)という翻訳書を刊行する。「スクリーニング、予防、治療の推奨事項一覧」というサブタイトルが示す通り、様々な疾患について北米や欧州の主要な学会や政府機関のガイドラインが推奨している項目を集めたものだ。

 編集作業をしていて驚いたのが、第3章「疾病の管理」の中で、避妊にまつわる疾病管理の項目がやたらに長いことだ。エストロゲン・プロゲスチン併用経口避妊薬、プロゲスチン製剤単独、子宮内避妊具の使用など、様々な避妊法について、1)使用制限なし、2)利益の方がリスクより大きい、3)リスクの方が利益より大きい、4)容認できない健康上のリスクがある、の4段階評価を行っている。避妊法を使用する女性の病態に合わせて、貧血、糖尿病、高血圧、各種の癌、静脈血栓症、片頭痛、頭痛、てんかん、胆石、甲状腺疾患など数十種類の疾患について、スコア付けを行っているのだ。この項目だけで14ページも費やしており、本書の中でも冠動脈疾患の管理に匹敵するボリュームだ。

 これは主にWHOの資料と米国での推奨事項なので、今後も大幅な人口増が予想される国やそこからの移民を考慮して、念入りに記載したのかと考えてしまった。今や人口減少に直面している日本では、避妊法のエビデンスがここまで研究されることは、今後もないだろう。

 ちなみに妊娠を希望しない場合(性犯罪の被害者を含む)の緊急避妊薬では、レボノルゲストレル1.5mgの単回投与または0.75mgの2回投与が推奨されている。投与が早ければ早いほど避妊成功率が高いため、「緊急避妊の場合は、臨床医は診察も検査も不要ですぐに処方してよい」というのが米国産婦人科学会の推奨である。

 この書籍で興味深いのは、北米と欧州のガイドラインを両方とも紹介し、読者に違いを比較してもらえるようにしている疾患があることだ。例えば、「非心臓手術を受ける患者の評価と管理」では、ACC/AHA(米国心臓病学会/米国心臓協会)ガイドラインとESC(欧州心臓病学会)ガイドラインを表に並べて比較している。

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