日経メディカルのロゴ画像

 これまで、内資系の企業4社だけが製造、販売してきた国内の季節性インフルエンザワクチンの市場に、最近、外資系の製薬企業が相次いで参入している。

 英アストラゼネカ社傘下のMedImmune社が製造し、海外で「FluMist」として販売されている経鼻噴霧ワクチン(VN-0107/MEDI3250)は、国内で第一三共が承認申請中。同ワクチンは、野生型のウイルス株と製造用のウイルス株から作られる遺伝子再集合体をワクチン製造株にして、鶏卵培養した弱毒化生ワクチン。鼻腔粘膜など低温で増殖しやすいように作られている。海外で実施された小児を対象とする臨床試験では、鶏卵培養した従来のワクチン(不活化HAスプリットワクチン)に比べて有意な発症予防効果が認められた。

 フランス・サノフィ社が製造し、海外で「Fluzone High-Dose」として販売されている高齢者向けの高用量ワクチンも、同社の日本法人が、2017/18シーズンに国内で第1相/2相試験をスタートさせた。同ワクチンは、現行の鶏卵培養したワクチン(不活化HAスプリットワクチン)の抗原(HA)蛋白量を、15μg/株/0.5mLから60μg/株/0.5mLに増やしたもの。米国で、65歳以上の高齢者を対象に実施された臨床試験では、不活化HAスプリットワクチンに比べて有意に赤血球凝集阻害(HAI)抗体価が高まることなどが分かっている。

 実はこれまで、日本の季節性インフルエンザワクチン市場は、“鎖国状態”だった。背景には日本に、海外とは異なる株選定のプロセスや薬事規制が存在していたことが挙げられる。要は、海外で開発・承認を取得したワクチンのデータを基に、外資系企業が日本で承認を取得するのが現実的に難しかったのだ。

 しかし最近、外資系企業が季節性インフルエンザワクチンを日本で開発する動きを活発化させたことや、国内のワクチン産業を海外に出して行こうという機運が高まっていることなどにより、株選定のプロセスを見直したり、薬事規制を海外と調和させたりしようという動きが出ている。まさに、黒船が来航したのである。

この記事を読んでいる人におすすめ