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 2月7日、中央社会保険医療協議会は、2018年度の診療報酬改定を厚生労働大臣に答申した。その内容はこちらのリポートに譲るが、それよりも筆者が注目したのは、この日に公表された「個別改定項目について」という分厚い資料だ。

 この資料は、改定によって新設・変更される項目を具体的に解説するものなのだが、その分量は年々増え続けている。前々回の2014年改定では266ページだったものが、2016年改定では380ページに増え、今回の改定ではなんと492ページにも及んでいる。

 国民皆保険制度が敷かれている我が国では、診療報酬改定は医療機関にとっての一大事。診療報酬の請求業務を担当する事務部門はもちろん、医師をはじめとする医療職にも、関係する部分についてはその内容を周知する必要がある。改定の方向性にうまく対応できないと、医療機関は大幅な減収に見舞われかねないからだ。

 とはいえ、中医協の答申から新点数が適用される4月までは2カ月足らず。その間に個々の医療機関に、そして医療現場のスタッフ全てに改定内容を徹底することは容易ではない。また、診療報酬明細書(レセプト)の作成システムを提供するレセコンメーカーも、この時期は休日返上で作業に当たることが恒例化している。診療報酬点数表の複雑化は、こうした問題をさらに悪化させているのが実情だ。

 これに対応するため、昨年7月の中医協では「診療報酬に係る事務の効率化・合理化」が検討課題の1つに挙がった。厚労省は2018年改定を手始めに、段階的に簡素化を進めていく意向を示し、これに診療側委員が「改定の度に医科点数表の本がどんどん分厚くなり、医療機関が対応するのはとても大変。診療報酬の簡素化や事務の効率化・合理化は大賛成だ」と応じる一幕もあった。しかし2月7日に公表された資料を見る限り、一部の手続きを除き、診療報酬体系の簡素化につながる内容は見当たらないのが現実だ。

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