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 薬剤師向け情報誌「日経ドラッグインフォメーション」1月号で、特集「ICT(情報通信技術)で変わる薬局の未来」を担当し、電子お薬手帳電子薬歴調剤支援服薬・連携支援システムなど、現場の様々なトレンドを取材した。

 業務上の通信手段として、いまだファクスをメインに利用している薬局は多く、ICTと聞くと尻込みする薬剤師も少なくないと聞く。だが、現場を取材すると、ICT化に積極的に取り組む薬局では、思っていた以上に薬剤師業務が変化していた。

 例えば、薬歴については、紙薬歴から電子薬歴への切り替えだけでなく、従来主流だったデスクトップ型の電子薬歴からタブレット型の製品への切り替えが増えている。携帯性に優れるタブレット型電子薬歴の普及により、外来や在宅で薬剤師が薬歴を閲覧したり効率的に記載できるようになった。さらに、薬剤師の入力の手間を大幅に軽減できる製品も登場している。例えば、患者の状態に合わせて服薬指導文を自動掲示し、副作用や日常生活上の注意点などを患者に説明しながら指導画面をタッチしていくと、選択した指導文から薬歴が自動生成されるような電子薬歴も実用化されている。

 電子お薬手帳は、従来の紙のお薬手帳の枠を超え、血圧や体重、検査結果などの健康情報を収集・管理する、パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の機能を有する製品も少なくない。これらのデータを医療機関などと共有できれば、医療の質の向上にもつながるだろう。薬局側から患者に情報発信できる点も、紙の手帳との大きな違いであり、かかりつけ機能をサポートするツールとして、今後確実に普及が見込まれる。

 調剤業務に目を向ければ、調剤機器に処方データを飛ばして自動で分包作業を開始するなど、ICTの活用により迅速性・正確性が高まる。調剤ロボットの進化も目覚ましく、かつて自動化が難しいとされていた散剤調剤についても、薬剤の選択から秤量、分包まで全て人の手を介さずに行えるロボットが薬局で既に稼働している。

 そして、服薬管理についても、患者の自宅での日々の服薬状況をオンライン上で確認できる服薬支援システムが複数登場しているほか、医師やコメディカルなどとオンライン上で情報共有する地域のネットワークシステムの整備も進みつつある。ICTにより、薬局の外にいる患者や他職種との間で、より円滑なコミュニケーションが図れるようになってきている。

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