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 4月の新専門医制度のスタートに向けた専攻医の1次募集が昨年11月15日に締め切られた。12月16日には日本専門医機構が、専攻医登録をした約7800人のうち総合診療領域のプログラムを選んだ専攻医は153人にすぎなかったと発表。さらに、11県で専攻医の応募が1人もいなかったことを明らかにした(参照記事)。

 筆者はこの結果を聞いて、非常に驚いた。2013年ごろ、厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」で総合診療領域の創設が決まった当初は、「総合診療専門医は英国のGP(一般医)のようなゲートキーパーの役割を果たす医師。全医師の3~4割程度がこの機能を担わなければ、日本の医療が持たない」(同検討会座長を務めた高久史磨氏)などといわれていたからだ。

 専門医制度における総合診療領域の新設は、今後各地域で増える複数疾患を抱えた高齢者に対応する必要性から、長年の議論を経て準備が進められてきた。地域の医療や介護、保健などの分野でリーダーシップを発揮しつつ、在宅医療や緩和ケア、高齢者ケアなどを包括的に提供することが期待され、新専門医制度の目玉として注目されていた。その注目度と制度創設までの経緯を考えれば、総合診療領域が専攻医の募集で「惨敗」したのは明らかだ。

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