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記者の眼

「医療イラストの職人」たちが学会立ち上げ

 医学書や医学雑誌を開くと、組織や構造などを示したイラストが目に飛び込んでくる。私たち編集者にとってもなじみ深いこれらの図版は、「メディカルイラストレーション」と呼ばれている。

 このメディカルイラストレーションを描くのは、独学で人体の組織構造について勉強したイラストレーターだけだと私は思っていた。ところが、医師の中でも特に外科医の間では、手術記録やカンファレンス、患者説明などに使用するために、自らイラスト制作を手掛ける例が少なくないと聞いて驚いた。最近では、電子カルテや術中のビデオ撮影の普及によって、動画から切り出した画像を活用することも多いようだが……。

 「手術ビデオが導入される前の時代は、術中に術野を脳裏に焼き付け、手術が終わった直後にラフスケッチを描き、手術の翌日までに色付けなどの仕上げを行ってイラスト入りの手術記録を完成していた」と話すのは、これまで数多くの脳外科手術に携わってきた東埼玉総合病院附属清地クリニック(埼玉県杉戸町)脳神経外科の馬場元毅氏。同氏は脳神経外科に入局してから40年以上、手術記録に手描きのイラストを添えてきた(図1)。

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