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記者の眼

未診断患者の3割に診断をつけたゲノム医療の力

 日本医療研究開発機構AMED)が主導して進めている「未診断疾患イニシアチブIRUD)」というプロジェクトをご存じだろうか。

 何らかの症状を抱えて医療機関を受診し、様々な検査を受けるものの診断がつかず、悩みを抱えている患者がいる。そうした患者を、全国の医療機関がネットワークを組んで掘り起こし、次世代シーケンサー(NGS)を用いて遺伝子を網羅的に解析して診断をつけようというのがこのプロジェクトだ。

 2015年7月から小児患者を対象とした「原因不明遺伝子関連疾患の全国横断的症例収集・バンキングと網羅的解析」(小児IRUD研究班=IRUD-P、研究開発代表者:国立成育医療研究センター研究所長の松原洋一氏)が始まり、2016年7月には成人患者を対象とした「成人における未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究」(成人IRUD研究班=IRUD-A、研究開発代表者:国立精神・神経医療研究センター理事長・総長の水澤英洋氏)も開始。2017年4月からは2つを統合して、より充実させていくことが計画されている。

 全国に20カ所程度設けられたIRUD拠点病院では、領域ごとに専門家からなる診断委員会を設け、かかりつけ医から紹介があった患者をIRUDにエントリーすべきかどうかを検討した上で、解析センターに対してエクソーム解析(ゲノムのうち、エクソン部分の網羅的解析)を依頼する。解析結果は拠点病院の診断委員会に報告され、委員会での検討を経て診断結果が患者およびかかりつけ医に報告される。
 
 IRUDで対象とする患者の基準は、次のように定められている。

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