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記者の眼

今冬のインフルエンザは「トリプル感染」も懸念

 先日、今冬のインフルエンザについて「5つの懸念」を報告した。その後の取材で、「今冬はインフルエンザに3回罹患する人が出てくるかもしれない」という懸念が浮かんできた。いわゆる「トリプル感染」だが、一体どういうことなのか報告したい。

 根拠の1つが、インフルエンザ抗体保有状況調査にある。国立感染症研究所が取りまとめているもので、今年は12月2日に第1報が公表された。トリプル感染の懸念は、このデータから読み取れる。

 抗体保有状況調査とは、健常者を対象に、その年のインフルエンザワクチン株に選定されたウイルスに対する抗体を調べるもの。ワクチン株は流行の可能性が高いという前提で選ばれているわけだから、このウイルス株に対する抗体を多く持っている人はインフルエンザに罹患しにくい。逆に言えば、抗体保有率が低ければ、感染リスクは高まる。

 発表されたインフルエンザ抗体保有状況調査の結果(第1報)を見ると、先日のリポートで報告したように、今シーズンはAH3あるいはB型の感染が予想される。

 ここでいう抗体保有率は、感染リスクを50%に抑える目安と考えられるHI抗体価1:40以上について示している。感染研はこれまで、抗体保有率60%以上を「高い」、40%以上60%未満を「比較的高い」、25%以上40%未満を「中程度」、10%以上25%未満を「比較的低い」、5%以上10%未満を「低い」、5%未満を「極めて低い」という表現で、感染リスクを抑える目安を示していた。

 この基準を当てはめると、今シーズンは表1のような結果となった。年齢層で見ると、高齢者と低年齢で「低い」傾向が強い。高齢者では、70歳以上は、B(山形系統)とB(ビクトリア系統)がともに「極めて低い」であり要注意だろう。65~69歳はB(ビクトリア系統)が「極めて低い」、B(山形系統)が「比較的低い」だ。また60~64歳はB(ビクトリア系統)が「低い」、B(山形系統)が「比較的低い」だった。これらの年齢層では、B型のダブル感染の危険性もあるということになる。

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