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記者の眼

「油断するな!」ピンチを救った主治医の言葉

 師走が近づくと、何となく心がザワザワしてしまう。
 
 12月は、川崎病を発症したの、年1回のフォローアップ受診があるからだ。今回は、「記者の眼」ならぬ、「患者の親の眼」を紹介したい。

 娘が川崎病を発症したのは、2014年のクリスマスのこと。筆者は、年末進行でいつもより早いスケジュールでの雑誌の校了作業を何とか乗り切り、友人とのんきにカフェでお茶をしていた。とその時、保育園から着信があり、「〇〇ちゃん、朝から37℃台の熱があって、今は38℃以上の熱が続いているのでお迎えお願いします」と言われた。

 保育園に迎えに行くと、3歳(当時)の娘は比較的元気で、早いお迎えを喜んでいる。熱以外の目立った症状もないようだ。当時、娘の園ではインフルエンザが流行しており症状の軽い子も多かったため、真っ先にインフルエンザだと思った。「年末のイベントは全てキャンセルか〜」などと残念な気持ちになりながら、早速かかりつけの小児科クリニックを受診すると、インフルエンザの検査結果は陰性だった(検査の時期が少し早い気がするが……)。

 ところが、喜んでいた筆者に対して、いつもは冗談ばかり言う先生が目の色を変え、「インフルエンザなんかよりもっと大変かもしれないよ!」と言った。「頸部のリンパ節がかなり腫れているし、これは油断できないよ。薬を使っても熱が下がらないようなら、明日の朝すぐ受診してください。川崎病も疑って大きい病院で検査した方がいい。BCG跡の腫脹とか、それらしい症状がないかよく観察していてね」。

夜中解熱薬を使ってみたが熱は下がらない
 川崎病……。乳幼児が罹患する原因不明の全身性血管炎症候群で、冠動脈病変の合併を避けるためには早期の治療が欠かせない。日ごろから医療の取材をしているとよく聞く病名で、疾患の基本的な知識もあった。ただ、「そんなメジャーだが頻度の低い病気にまさか自分の子供がかかるわけない。熱が何日か続くことってよくあるよな……」などと楽観的に思っていた。とはいえ、先生はあまりに脅かすし、夜になると、娘はいつもと違って元気がなくなった。ボーっとしていて「首と喉が痛くてごはんが食べられない」と言って、早々に寝てしまったのだ。

 試しに、夜中解熱薬を使ってみたが38℃台の熱は下がらない。何となく不安な気持ちのまま、次の日の朝かかりつけ医に電話すると「すぐに来てください」と言われ、受診。発熱と頸部リンパ節腫脹という2つの症状しかなかったが、「年末になるから(医療提供体制も手薄になるから)、今日大きな病院を受診した方がいい」と促され、紹介状を持参してその日の昼には大学病院を受診することになった。

 大学病院では、血液検査などの結果と症状から川崎病がかなり疑わしいということ、そして次の日になればもっと川崎病特有の症状がはっきりしてくるだろうから、それを確認した上で免疫グロブリンによる治療をする、と説明を受けたが、あまりの急な展開に頭の中が真っ白になった。しかも、川崎病は症状から診断するもので確定診断する術がないため、なんとなく納得できない。

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