日経メディカルのロゴ画像

 「地域医療連携の記事は、あまり読まれないなぁ……」。日経メディカルの姉妹誌で、医療・介護経営の分野をカバーする『日経ヘルスケア』の編集部では、ひと昔前まで、そんな会話がよく交わされていた。

 確かに当時、医療連携関連の記事を載せても、読者の反応は必ずしも良くなかった。記事の出来の問題なのか、そもそも関心を持たれなかったのか、実際のところはよく分からないが後者の理由もあるように思えた。「連携は大切だけど、そこまで力を入れなくても病院を経営していけるから」――。取材先の話を伺っていると、そう捉えられているように感じた。

 ところが状況は様変わりし、今や多くの病院にとって連携強化は経営の重要なテーマだ。病院の機能分化の進展により、急性期病院は平均在院日数を短縮し、なおかつ病床稼働率を維持するため、より多くの新規入院患者を確保しなければならない状況となっている。患者の紹介元となる医療機関のほか、退院後の受け皿となる施設との連携を深めなければ、急性期病院としての生き残りすら難しい状況だ。回復期や慢性期を担う病院でも、患者確保を巡る競争が厳しくなっている。

 そのため、紹介患者受け入れのための「前方連携」と、退院後の受け皿となる施設との調整を行う「後方連携」を一体化したワンストップサービスを導入したり、担当スタッフを増員するなど、連携室の体制を拡充する病院が目立つようになった。

事務職員の営業に同行する副院長
 人員面の体制強化は、医療ソーシャルワーカー(MSW)や看護師、事務職員が中心だ。医師については、幹部クラスが連携室長などの役職で兼務している病院も見掛けるが、実務にはほとんど携わらず、対外的に医師がトップの方がよいという理由で「お飾り」的に据えられているケースもある。

 だが最近では、多忙な業務の合間を縫って、連携活動に本格的に携わる医師も現われてきた。ある回復期リハビリテーション病院では、副院長が事務職員とともに、患者の紹介元となる複数の急性期病院に定期訪問している。

 医師が訪問することのメリットは、何といっても連携先と医学的に突っ込んだ話ができる点にある。また連携先からは、「患者の受け入れまでの期間を短縮してほしい」など様々な要望が出されるが、そうした依頼の内容を現場にフィードバックする際、実際に連携先を訪問した医師が説明することで、医局など現場の理解を得やすくなる利点もあるだろう。

この記事を読んでいる人におすすめ