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記者の眼

人事考課に「同僚評価」を採用した診療所の狙い

 小規模な診療所でも職員の人事評価を導入するケースが増えつつあることは、本欄の以前の記事で触れた通りだ(関連記事)。

 診療所では、多忙な院長が1人で人事評価制度の設計から運用までを担うことも多く、そもそも導入自体が容易ではない。しかも、運用を誤ると職員のやる気をそいだり、評価結果を巡って職員間がギスギスするなど、かえって職場の雰囲気を悪化させかねない。リスクを承知の上で、院長たちはなぜ人事評価制度を取り入れようとするのか――。そんな興味から、実際に導入した院長たちにこれまで何度かお話を伺ってきた。

 どの診療所も、自院の実情に鑑みて様々な工夫を取り入れているが、その中でも一風変わった評価制度を導入したのが、東日本の地方都市に立地するAクリニックだ。スタッフ同士が互いに評価し合う「同僚評価」を導入し、5年間運用を重ねてきた。

 上司が部下を評価するだけではなく、部下が上司を評価したり同僚同士で評価する「多面評価」を導入する企業は少なくないが、医療機関、まして診療所でそんな仕組みを導入するケースはかなり珍しい。制度創設から間もないころに一度話を伺ったことがあるが、5年間の運用でどんな成果が得られたのか、今回改めて尋ねてみることにした。

同僚の接遇や勤務態度を10段階評価
 Aクリニックは、院長のほか看護師、看護助手、事務職員の計10人程度で構成。スタッフはパート職員も含め、接遇や勤務態度などの各評価項目について、どの程度実践できているか、同僚と自分自身の達成度をそれぞれ10点満点で採点する。同僚の仕事ぶりに関して特筆すべき長所があれば、自由記載欄に記入する。

 現在の評価項目は下記の通りだ。これまで何度か改変してきたが、「自院の服務規律などにのっとった行動をしているか」を評価するという軸はぶれないようにしたという。

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