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記者の眼

「二日酔いにロキソニンが効く」は本当か

 「二日酔いのとき、ロキソニンを飲むと楽になるって、知ってた?」。しこたま飲んだ帰り道、一緒に飲んでいた医師が、ポケットからロキソニン(一般名ロキソプロフェン)を取り出し、ヒラヒラさせながらそう言った。

 「バファリンじゃなく、ボルタレンじゃなく、何でロキソニンなんですか」。酔った頭でイチャモンをつけると、「なんか、ロキソニンがいいらしいよ。メカニズムはよく分かんないけど」とのこと。翌日、おそらく二日酔いだったとは思うが、ロキソニンを試してみたかどうか、それが有効だったかどうかは、よく覚えていない。

 そんな話を聞いていたこともあり、先日、大阪大学医学部附属病院未来医療開発部の原正彦氏(関連記事)から、「二日酔いに本当にロキソニンが聞くのかどうか、医師主導の臨床研究で確認しようと思っているんです」と聞いて、心が動いた。あの酔っ払い医師のアドバイスは、少なくともその場の思いつきではなかったんだという感慨と、そんな「都市伝説」の真偽を臨床研究まで行って確認してしまおうという、原氏のチャレンジング・スピリット&遊び心に。

 しかも、この臨床研究の被験者は「医師」を予定しているという。「臨床研究というのは、そもそも日常診療で感じる素朴な疑問を検証するために行うものですが、多くの医師は臨床試験を敷居が高いと感じています。自らが被験者になることで、臨床試験を身近に感じて、その固定概念を払拭してほしいんです」と原氏は力説した。医師が被験者となるPhysicians Studyは、米国では大規模なものが行われているが、日本ではまだ実施例がないのだという。

 また、臨床研究を行うもう一つの理由として、「やっぱり、不必要な適応外処方は減らした方がいいですから」と原氏。検証の結果、「効果なし」ときちんと判定されれば、副作用のリスクしかない無駄な服薬をやめさせることができる、というわけだ。

 原氏が計画しているのは、サンプルサイズ200人ほどの、プラセボ対照無作為化二重盲検試験。服薬3時間後の二日酔い症状の改善率を、被験者である医師自らがVAS(visual analogue scale)で評価する仕組みを想定している。

17%の医師が「二日酔いにロキソニン」を知っている
 「今、大学の倫理委員会に出す書類を作っているんですが、倫理審査書類提出の際の基礎データとして、医師がどれくらい『二日酔いにロキソニン』を知っているかを知りたいんです。その調査、日経メディカルでやってくれませんか」。原氏からのそんな要請に応えて実施したのが、当サイトで8月上旬に行ったミニ調査である。

 質問項目は4つ。(1)二日酔いにロキソプロフェンが効くというウワサを聞いたことがあるか、(2)二日酔い症状の緩和を目的に自分でロキソプロフェンを飲んだことがあるか、(3)二日酔い症状の緩和を目的に同僚や知人にロキソプロフェンを薦めたことがあるか、(4)二日酔いにロキソプロフェン(NSAIDs)は有効だと思うか――。この調査では、バイアスがかかるのを避けるべく、医師主導臨床研究が計画されていることについては一切説明しなかった。

 1の「聞いたことがあるか」については、約17%の医師が「ある」と回答(図1)。地域差があるのではないかという推測から地域別に集計してみたものの、多少、中国地方で「聞いたことがある」医師が多めだった程度で、特に目立った傾向は見られなかった。

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