日経メディカルのロゴ画像

 こちらの「記者の眼」コーナーでは6度目となります記者の河田と申します。日ごろはバイオテクノロジーの専門誌『日経バイオテク』(1981年創刊)の編集などに携わっています。今回は、2015年4月1日施行の「食品表示法」に基づいて運用が開始される新しい「機能性表示食品」制度を紹介します。

 これは、安全性および機能性に関する一定の科学的根拠に基づいて、特定の保健の目的が期待できる旨の表示を、食品関連事業者が食品のパッケージに表示できる制度です。疾病を治療するのが目的ではありません。健康の維持・増進に役立つ食品を選択しやすいように、商品への機能性の表示を可能にする制度です。

 事業者が自己責任で機能性表示をするという仕組みで、事業者が機能性表示の根拠となるデータを、販売の60日前までに管轄官庁の消費者庁に届出します。消費者庁がこの届け出の受理を開始するのは、2015年4月1日からなので、実際にこの表示をした商品が流通するようになるのは、その2カ月後の2015年6月以降ということになります。

「機能性表示食品制度」前夜祭に安倍晋三首相からメッセージ
 表示の基となる科学的根拠について、消費者庁長官による個別審査を経ることなく、事業者の責任で機能性を表示できる、という点で特定保健用食品(トクホ)と異なります。

 安倍晋三首相が「健康食品の機能性表示を解禁する」方針を、成長連略のスピーチの中で発表したのは2013年6月。これを受けて関係者が検討を重ね、新たな制度が2015年4月に施行されることになりました。

 2015年3月24日に公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が都内で開催して600人が集まった「『機能性表示食品制度』前夜祭」には、安倍首相からメッセージが寄せられました。

 「新たな制度は、農林水産物を含め食品の機能性について、事業者が自ら科学的根拠を評価した上で、事前に届け出をすることで表示ができる制度。消費者に分かりやすく、適確な情報の提供を促す仕組みとなった」「消費者の幅広い信頼を得ることが極めて重要。課題を世界に先駆けて解決することで、健康食品が、新たな成長分野を切り開く重要分野に育っていくことを期待する」旨などを含むメッセージでした。

 この食品表示法に基づく「食品表示基準」の内閣府令は、3月20日に公布されました。PDFのページ数が749ページに及ぶ膨大な資料です。

 機能性表示食品制度の具体的な内容は「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」に示されます。このガイドライン「(案)」は3月2日から全国7地域で9回実施された説明会に間に合わせて公表されましたが、最終的なガイドラインはこの原稿をまとめている3月25日現在では、まだ公表されていません。最終的なガイドラインには、用語解説が数ページ加えられるので、110ページくらいのボリュームです。
 

この記事を読んでいる人におすすめ