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記者の眼

新入職者が増える春先は注意が必要
梅毒増加で気掛かりな医療者の針刺し受傷

 厚生労働省が2月末、ホームページに「梅毒に関するQ&A 」を掲載した。梅毒の報告数が4年連続で増加し、2014年に1671件と近年にない流行となったことから、啓発強化に乗り出したのだ(図1)。日常診療に潜む危険について取材を進めている著者は、このニュースを読んだとき、医療者の針刺し受傷のことを思い浮かべていた。

 Q&Aのきっかけとなった国立感染症研究所の報告「梅毒2008~2014年」(IASR 2015;36 [2]:17-9. 2015年2月号)を読んでみた。まず気になったのは、感染経路の変化だ。2008年以降、男性では同性間性的接触による感染が増加。一方の女性は、異性間性的接触による感染がほぼ100%を占めている。そして2012年以降は、男性でも異性間性的接触による感染が増加中なのだ。同性間性的接触から異性間性的接触へ拡大しただけでなく、男性から女性へ、そして女性から男性へという悪循環が顕著になってきている。

 こうした悪循環を断ち切るには、若年層を中心とした国民に対する啓発が欠かせない。感染研の報告書は、梅毒の啓発で重視すべき情報として、(1)オーラルセックスやアナルセックスでも感染する、(2)終生免疫は得られず再感染する、(3)早期顕症期に診断されず、長期にわたる無症候期に治療を行わないと病態が進行して晩期顕症となる――の3点を挙げている。厚労省の「梅毒に関するQ&A」は、この指摘に沿ったものだ。広く活用されることが望まれる。

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