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 製薬企業が医師に支払った講演料や原稿料などの金額が、2014年から開示されるようになった。日本製薬工業協会製薬協)が策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」(以下、透明性ガイドライン)に基づく情報開示の一環だ。製薬企業が自ら医師への資金提供の流れを開示することで、「製薬企業と医師の間に不適切な便宜や利益の供与があるのでは」という疑念を払拭することを目的としている。2013年度分の支払いについては、1月27日までに71社が開示した。

 支払額の開示が始まった当初、「お金のためにやっていると受け取られかねず、医師が萎縮して講演や原稿執筆などを控えるようになる可能性がある」「患者や他の医師に偏見を持たれる」といった否定的な意見が少なくなかった(関連記事:医師の原稿料、金額や個人名の開示で問題露呈)。だが、蓋を開けてみれば、そこまで大きな問題は生じていないようだ。一部の雑誌が「製薬企業から高額謝金をもらっている医師のリスト」のような形で報じたものの、そのために医師を批判する声が高まったり、医師が講演や原稿執筆を控えるといった動きは表面化していない。

 というよりも、そもそもこの情報開示自体が、そこまでの関心を集めていないように筆者は感じている。その背景には、製薬企業の情報開示の分かりにくさがあるのではないか。今回は、製薬企業の情報開示における問題点を指摘したい。

申請が必要な上、閲覧できるまでに時間がかかる
 製薬企業の2013年度分の支払いに関する情報開示の問題点は、大きく分けて3つある。(1)申請が必要だったり製薬企業が指定する場所に行く必要があるなど、閲覧に手間が掛かる、(2)資料が読みにくい、(3)開示していること自体が伝わっていない――の3点だ。

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