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 家の押し入れが使わない物品で溢れているので困っていると、新聞で「スマホで簡単に出品、売却できる」というアプリ、いわゆるフリマアプリが紹介されていた。早速登録して出品してみた。あまり使わないうちにサイズが合わなくなった乳児用抱っこひもや、バイク用のブーツ・ジャケット、タグ付きのまましまい込んでいた衣類などにはあっという間に買い手が付いた。中古でノーブランドの衣類はあまり人気がないようだった。

 何が売れ筋なのかに興味があり、膨大な数の出品を眺めていたら、経皮消炎鎮痛薬が幾つも出品されているのを発見した。その中には、妊娠後期の妊婦には禁忌のケトプロフェン外皮用薬もあった(関連記事)。フリマアプリ内を検索してみたところ、ヒアルロン酸ナトリウム点眼液も出品され、売り切れていた。「ヒアルロン酸の目薬でお肌がプルプルになった」という評判があるので、スキンケア用に買った人がいるのかもしれない。

 2014年6月、一般用医薬品のインターネット販売が解禁されるのと一緒に、ネットオークションでの医薬品の販売が明確に禁止された。厚生労働省は、「薬事法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください」と呼び掛けている。フリマアプリで医薬品を見つけてしまった場合、どうしたらよいのかについて自治体の担当部署に問い合わせたところ、「自治体あるいは厚労省の窓口と、サイトの運営管理者の両方に情報提供するのがよい」とのことだった。

 経皮消炎鎮痛薬を出品している人が他に売っているものを見ると、中古の衣類や子供の玩具などであり、恐らく普通の家庭の主婦が規制を知らずに出品している。フリマアプリやオークションの利用規約に「医薬品の出品禁止」が書かれていても、利用者が気付かなければ意味がない。とはいえ、私の通報によってアパートの一室に捜査が入り、若い母親はおろおろし子どもは泣き叫ぶ、という状態になるのはできれば避けたい。この可能性については、自治体の担当者は「悪質であれば追及される可能性があるが……」と言葉を濁した。

 湿布のような外用薬だと、つい家族の残薬を流用しがちであり、その延長の感覚でフリマに出しているのかもしれないが、法に反する。アプリの運営者は、規約違反の通報があれば当該出品をすぐに削除してくれるようだ。ただ、削除された理由に関する説明が運営者側からきちんとなされているかはよく分からない。なぜダメなのかの説明がなければ、出品者は再び医薬品を出品してしまう可能性が大きい。薬を出す側、病院や薬局などの医療機関も、残薬の扱い(例えば、ネットでの転売禁止)についてポスターなどを用いてきちんと説明すべきではないだろうか。ちょっとした注意喚起で大きく改善できるような問題である気はする。

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