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記者の眼

免疫チェックポイント阻害薬の実用化拡大の鍵は  

 抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体のImmune Checkpoint Inhibitor(免疫チェックポイント阻害薬)が癌領域の新薬、さらにはキードラッグとして注目を集めている。既存の抗癌剤とは異なる新たな作用機構が期待を高めている。

 実用化も進んできた。抗PD-1抗体のニボルマブが9月に日本で「根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に発売された。同じく抗PD-1抗体のpembrolizumabも9月に米国で「既存の治療が無効になった悪性黒色腫」を対象に迅速承認された。

 ニボルマブについては9月末に欧州医薬品庁が非小細胞肺癌に対する販売承認申請(MAA)を受理した。また、毒性が少ないことから他の抗癌剤や分子標的薬との併用に向けた臨床開発が両剤ともに始まっている。この他にも、多くの製薬企業が臨床開発に取り組んでいる。

 Immune Checkpoint Inhibitorの実用化拡大の鍵となるものは何だろうか。新たなバイオマーカーの探索であることが示唆され始めている。

 先日、スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で、興味深い発表がなされた。進行胃癌に対するpembrolizumabのグローバルフェーズ1b試験結果の報告である。忍容性が認められ、後方ラインの症例が大多数の中で、奏効率が約30%と良好な抗腫瘍縮小効果が確認された。

 この試験は、PD-L1陽性というバイオマーカーで患者を選別して行われた。ところがウォーターフォールプロットを調べると、抗腫瘍縮小効果が明らかに見られる患者と全く見られない患者の2群に分かれる傾向があった。

 つまり、より効果を発揮する患者集団を選別するためのバイオマーカーがある可能性が見つかったのである。腫瘍量が少ない患者で効果が高いことも示されている。より早い段階で効率良くImmune Checkpoint Inhibitorを利用するためにも、患者選別に役立つバイオマーカーの探索は欠かせないようだ。
 

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