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「アクラスタウン」によるプレゼン場面。同ホームが最優秀賞「大賞ホーム」を受賞した。

 9月12日、高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協)の主催による「リビング・オブ・ザ・イヤー2014」が都内で開催されました。2011年4月以降に開設した高齢者住宅の中で、独自のサービスや優れた取り組みを行っているホームを全国から募り、最優秀賞を決めるイベントです。

 第1次、第2次選考を経て7ホームが残り、当日は各ホームがスライドを使ってプレゼンテーションを実施。それを基に、100人の選考委員が「大賞ホーム」を選出する段取りです。

 最終選考に残った7ホームの顔ぶれは以下の通り。

・住宅型有料老人ホーム「アクラスタウン」(福岡県太宰府市)
・特別養護老人ホーム「アマルネス・ガーデン」(兵庫県尼崎市)
・サービス付き高齢者向け住宅「イリス南郷通」(札幌市白石区)
・住宅型有料老人ホーム「ここち西船橋」(千葉県船橋市)
・サービス付き高齢者向け住宅「サボテン六高台」(千葉県松戸市)
・住宅型有料老人ホーム「藤沢エデンの園一番館」(神奈川県藤沢市)
・サービス付き高齢者向け住宅「和楽久シニアレジデンス長津田」( 横浜市緑区)

大半が外部サービス利用型の施設
 選考委員による審査の結果、(株)誠心が運営する「アクラスタウン」(福岡県太宰府市)が最優秀賞に輝きました。医療・介護の24時間体制が整っている点や、終末期ケアを実施している点、喀痰吸引などの介護職員研修に力を入れてケアの質が高い点などが受賞の理由でした。

 同施設をはじめ、どのホームの取り組みも大変素晴らしいものでした。ただ、私が個人的に注目したのは、最終選考に残った上記7ホームのうち6ホームが、訪問介護や訪問看護などの外部サービスを利用するサ付き住宅と住宅型有老ホームだったことです。

 介護給付費の抑制を意図した2006年度以降の国の開設規制に伴い、介護職員を施設内に配置する特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームの新設数が減った一方、外部の訪問介護事業所などから介護サービスを利用するサ付き住宅と住宅型有老ホームの数が急増しました。今回エントリーした高齢者住宅は、過去3年に開設した所に限られていますから、外部サービス利用型の施設が大半を占めたのもうなずけます。

 ただ、外部サービスを利用する形態ゆえに、課題も少なくありません。最も大きな課題は費用負担。入居者の要介護状態が重度化すると、訪問介護や訪問看護の利用量が増え、介護保険の区分支給限度基準額(要介護度ごとに定められた利用限度額)を超えた分は全額自己負担になるのです。

 これに対し、アクラスタウンをはじめ各ホームは、介護保険で給付されない各種のケアを包括した月定額の「パック料金制」を導入して入居者の費用負担が増大しないように工夫しています。また、介護報酬が月定額の24時間365日体制のサービスである小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所を併設して、ケアを切れ目なく提供しながら入居者の負担が変わらない仕組みを築いているホームもあります。
 

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