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記者の眼

診療報酬改定の「伏線」は介護報酬改定にアリ

横浜市港北区の在宅強化型老健施設「ウェルケア新吉田」

 「診療報酬改定が、ここまで介護施設の経営に影響を与えたことはなかった。これからは介護事業者も、診療報酬改定から目が離せない」──。

 日経ヘルスケア6月号の特集記事「選別と淘汰を迫る『在宅復帰』新時代」の取材の中で、在宅強化型の介護老人保健施設「ウェルケア新吉田」(横浜市港北区、入所定員150人、写真)の事務長である漆間伸之氏の言葉が、とても印象的に残りました。診療報酬改定は医療機関の経営に関係するもので、介護事業者にはあまり直接的な影響はない、と思っていたからです。

 今回の診療報酬改定を転機として、同施設の2014年4月の稼働率は前年同月比で約9ポイント上がり、100.3%になりました。例年、冬場を老健施設で過ごした入所者は春先になると在宅に戻りますから、稼働率は落ち込むのが普通です。それが、今年は違う。特に急性期病院からの退院患者の紹介が前年同月比で2倍に増えたのが大きな要因です。

 なぜ、病院からの紹介が増えたのでしょうか。それは今回の診療報酬改定で、7対1一般病棟入院基本料に、直近6カ月間の「自宅等退院患者割合」が75%以上とする新たな算定要件が追加されたことと関係があります。

 7対1病床の絞り込みを最大のテーマとした今回の診療報酬改定ですが、もう一つの特徴としては、在宅復帰の推進が挙げられるでしょう。7対1一般病棟入院基本料の算定要件には、「自宅等退院患者割合75%以上」が導入。亜急性期入院医療管理料を全面的に再編し、新設された「地域包括ケア病棟(病床)」でも、在宅復帰率が70%以上の場合は、上位ランクの高い報酬(地域包括ケア病棟入院料1・地域包括ケア入院医療管理料1:2558点)を算定できるようになりました。そして、療養病棟入院基本料1にも、「在宅に退院した1カ月以上の入院患者の割合が50%以上」などを要件とする「在宅復帰機能強化加算」(1日10点)が新設されました。

 7対1入院基本料に新設された自宅等退院患者割合の「自宅など」の対象は、自宅のほかにサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、グループホームなどの居住系介護施設、他院の回復期リハビリテーション病棟、他院の地域包括ケア病棟・病床、在宅復帰機能強化加算を届け出た他院の医療療養病棟、そして、在宅強化型または在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届け出をしている介護老人保健施設が含まれます(図1)。

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