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 2014年3月に実際された第99回薬剤師国家試験の結果が大きな波紋を広げている。

 薬学教育6年制の初めての卒業生が受験した2012年に88.31%、2年目の2013年には79.10%だった合格率が、3年目の今年は60.84%にまで大きく低下した。6年制への切り替えで新卒の受験者がほとんどいなかった10年、11年を除いて、20年来最悪の数字だ。

 合格者の実数としても、12年の8641人、13年の8929人に対して、14年は7312人と、大幅に減少。薬局やドラッグストア、病院などでは内定者が不合格になるケースが相次ぎ、人員配置の見直しを迫られたり、新規出店を断念せざるを得なくなったりしている事例も少なくない。

 なぜここまで合格率が下がったのか。国会議員の質問に政府が用意した答弁には、「過去2回の試験で不合格だった既卒者の割合が増えたこと等が考えられる」とあるが、6年制新卒者の合格率も12年の95.33%、13年の85.09%に対して、14年は70.49%と大幅に低下しており、既卒者の増加だけでは説明が付かない。

 だが、大学の開設者別の合格率を見ると、少し違った情景が見えてくる。14年の国立大学の合格率は前年比11.25%減の69.95%、公立大学の合格率は同13.08%減の70.98%であるのに対して、私立大学の合格率は同18.05%も減少して60.84%となった。

 これを例えば4年制教育の最後の年である09年の合格率と比較すると、国立大学は68.06%、公立大学は71.96%だったので、14年と大きな違いはないが、私立大学は75.32%から大幅に低下していることが分かる。合格率は年によって多少増減するものの、4年制時代は国公立大学より私立大学の方が高い傾向にあった。

 つまり、私立大学の合格率が4年制時代に比べて大幅に低下したことが、全体の合格率を押し下げる主因になっているのである。
 

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