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記者の眼

看護師の「特定行為」、生かすも殺すも医師次第

 「医師が看護師に何を任せたいか、それ次第で制度の意味合いは大きく変わってくる。看護師にとっての制度の良し悪しは、理解ある医師の下で働けるかどうかにかかっている」──。看護師の特定行為について取材していた折、とある医療法人の看護部長が語ってくれたことが、腑に落ちた。

 3年以上に及ぶ議論を経て、看護師の特定行為に係る研修制度が創設される見通しとなった。その概要は、診療の補助行為のうち、特に高い判断力や知識・技能などを要する行為を特定し、国が定める手順書に沿ってそれらを行う場合を特定行為と定義。特定行為を実施する看護師に対して、国の指定する研修(指定研修)の受講を義務づけるというものだ(関連記事:特定行為の研修制度、法制化へ)。看護師の裁量権の拡大ではなく、あくまで「医師の指示下」でできる行為を広げていこうというのが、この制度の前提。

 医師にとって同制度のメリットは、医師しかできない医行為(絶対的医行為)と、看護師が診療の補助として実施し得る相対的医行為の境界が明確になり、後者について看護師に任せやすくなることだ。両者はこれまであいまいだった。現在、相対的医行為の“上限”として提案されているのが、表1に示す41行為。新制度では2025年に向け、これらの行為を安全に任せることのできる看護師を計画的に増やすため、後述する「手順書」の使用を前提にした研修体制を整える。

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