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経口薬と同じように全身性の効果を示す

 ここ2~3年、全身性貼付薬の新薬が相次ぎ発売されている。全身性貼付薬は、薬の有効成分が皮膚を通して、全身循環血流に送られるよう設計された製剤だ。一般に数センチ角の薄いシールを皮膚に貼ると、皮下の血管から全身に薬剤が送られ、経口薬と同じように全身性の効果を示す。

 製剤学的な工夫により、有効成分が皮膚からゆっくり吸収されて持続的に効果を発揮するため、(1)有効血中濃度が長時間維持され安定した効果を示す、(2)急激な血中濃度の上昇が起きにくく副作用が発現しにくい、(3)嚥下障害や認知機能の面から経口投与が難しい患者に使える──などの利点がある。

 全身性貼付薬としては、古くから虚血性心疾患治療薬の硝酸イソソルビド(商品名フランドルテープ他)や、狭心症治療薬のニトログリセリン(ニトロダームTTS他)、気管支拡張薬のツロブテロール(ホクナリンテープ他)などが知られる。

 また、2011年には、アルツハイマー型認知症治療薬のリバスチグミンの貼付薬(イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ)が発売され注目を集めた。その後も、パーキンソン病治療薬のロチゴチン(ニュープロパッチ)、過活動膀胱治療薬のオキシブチニン塩酸塩(ネオキシテープ)、降圧薬のビソプロロール(ビソノテープ)などが相次いで発売されている。

 『日経ドラッグインフォメーション(DI)』14年2月号では、こうした全身性貼付薬の薬局での使い方指導についての特集記事を掲載した。貼付薬による皮膚トラブルは、医師にとっても重要な問題だと思うので、ここでその予防のポイントを紹介したい。

 慢性疾患を治療する全身性貼付薬は、長期間使い続けることが前提。治療の継続を妨げる最大の障害が、かぶれ、痒みなどの皮膚トラブルだ。特に皮膚が薄く、乾燥している高齢者ではトラブルが起こりやすく、例えば、アルツハイマー型認知症治療薬のリバスチグミンの貼付薬の臨床試験では、患者の29.0%が接触性皮膚炎を起こしたと報告されている。

 そこで、重要となるのが、(1)貼付薬の正しい貼り替え方と、(2)貼付部位のスキンケア──の2点だ。
 

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