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 先日、ある特別養護老人ホームへ取材に伺った際、応対してくれた看護師が非常に魅力的な人だった。

 年齢は、40歳前後だろうか。長年、急性期病院に勤務していたものの、介護現場に興味を持ってこの職場に移ってきたという。施設内でのヒヤリハット報告の体制づくりをはじめ、業務改善策を次々考え出し、介護職員から頼りにされていた。

 その生き生きとした姿が記者の目にとても新鮮に映った。なぜなら、日ごろ介護施設の方々から聞く医師や看護師のイメージは、あまり良くないものが多いからだ。一言で言うと「怖い」「非協力的」「保身優先」「独断的」といった印象だ。

 医師や看護師にとっては、「介護施設で働く=臨床の第一線を離れる」というイメージがまだ強いからだろう。介護施設で働く医師は引退後の道やアルバイト先として、看護師は「病院より楽そう」といった理由で転職してくるケースが実際にある。必ずしもモチベーションが高くないため、イマイチな印象を持たれてしまいがちなのだろう。

看取りに協力してくれない連携医師

 介護現場では年々、医療対応へのニーズが高まっている。在宅や介護施設、高齢者住宅(有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など)には重度者が増え、認知症への対応、看取りの推進、そして介護職による喀痰吸引・胃瘻管理の解禁などが、国の政策として推し進められている。これらは医療者の協力なしには実施できず、医療と介護の連携は喫緊の課題だ。

 だが、介護施設や高齢者住宅の事業者が医療対応力を高めようとしても、パートナーとなる医師・看護師探しに苦労しているのが実情。例えば、看取りの体制を作りたくても連携先の医師が協力的でない、施設内で胃瘻の管理ができる介護職員を育成したくても、看護師が「危ないから」と乗り気でない、といった例だ。取材でそんな話を聞くと、非常に残念に思う。
 

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