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 今年3月で、東日本大震災から3年が経過する。震災発生直後、多くの医療支援チームが現地入りし、被災者の診療に当たった。当時、取材をした中で最も興味深かったのは、徳洲会グループが独自に派遣した医療支援チーム、徳洲会医療救援隊(TMAT)の活動だった(ルポ 東日本大震災 奮闘する医療現場 Vol.10
【ケーススタディー 2】徳洲会医療救援隊(TMAT)
)。

 被災地に入った医療支援チームの多くは、厚生労働省主導で全国に整備されているDMAT(災害派遣医療チーム)や日本赤十字社の救護班、自治体の部隊といった公的な組織ばかり。その中で、民間の医療法人でありながら、延べ約800人に上る大規模のチームを派遣した徳洲会グループは異彩を放っていた。しかも、徳洲会グループの医療従事者だけでなく、全国の他の医療法人の医療者も救援隊に参加し、組織的な医療支援を実現していたのには驚かされた。

フィリピン中部台風の際も現地に赴き医療支援活動

 民間の一医療法人が、どうしてここまで迅速な災害医療支援活動を展開できるのか。その原動力となっていたのが、徳洲会グループである特定非営利活動法人(NPO法人)TMATだった。1995年の阪神・淡路大震災で徳洲会グループの医師らがボランティアで救援活動に当たったのを機に、2005年に設立された組織だ。

 「生命だけは平等だ」「人類の平和と健康の維持増進を目指すための努力を惜しまない」──。こうしたグループの理念の下、国内外問わず被災地に救援隊を派遣。2010年のハイチ大地震やチリ大地震、2011年のトルコ東部地震などのほか、昨年11月のフィリピン中部台風の際もTMATが現地に赴いて医療支援活動を行った。物資の調達など、グループ全体でもTMATのバックアップに当たってきた。

 実は、TMATの支援活動のベースとなっているのが、災害医療に携わる人材を育成する事業。その中心となるのが、災害医療の基礎と技術を学ぶ「災害救護・国際協力ベーシックコース講習会」(定員30人ほど)だ。2007年にスタートし、全国各地の徳洲会病院などで現在までに35回開催されている。
 

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