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記者の眼

“経済的理由”で見送った経鼻インフルワクチン

 そろそろインフルエンザの流行が気になる季節である。既に、インフルエンザワクチンを打たれている医療関係者は多いことだろう。私も、医療機関に出入りするハイリスク者との自覚から、これまでほぼ毎年、11月中にはワクチンの接種を受けていた。

 だが今年は、なかなか重い腰が上がらず、ずるずると12月中旬まで過ごしてしまった。というのも、今年は、“痛くない”経鼻のインフルエンザワクチンを受けようと密かに思っていたからだ。経鼻インフルエンザワクチンは、日本では承認されていないが、昨今、医師が個人輸入して接種するクリニックが増えている。

 実は昨年、2人の子どもに、試しに経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」を受けさせた。注射型ワクチンは13歳未満の小児では2回の接種が必要。しかも3歳以上は大人と同じ0.5mLを2回も打たれる。子どもも痛いし、クリニックに連れて行く親の負担も大きい。そんな中、たまたま友人が、医師が個人輸入した経鼻インフルエンザワクチンを接種するクリニックがあると教えてくれた。その情報を編集部内で共有して、「鼻に1回噴霧でOKの経鼻インフルワクチン」(2012年12月12日掲載、記事はこちら)の企画となった(ただし、わが家が接種を受けたのはこの記事で紹介されている、かるがもクリニックではない)

 経鼻ワクチンの魅力は、痛くなく、1回の接種で済むこと。また、国内で開発中の経鼻ワクチンではIgAの誘導効果が高いことから、発症予防効果も期待されている。しかも、接種はとても簡単だ。

 「鼻水出ていない?じゃ入れるよ。シュ、はい、終わり」

 経鼻ワクチンの接種は、あっと言う間に終わってしまい、少し緊張していた子どもは肩すかしを食ったようだった。しかも、昨年、提示された接種費用は、近所のクリニックで2回接種する合計額よりも安かった。これなら毎年、インフルエンザのワクチン接種はここで受けようと、子どもたちと話した。

 ところが今年、そろそろ予約をしようとそのクリニックに電話すると、「今年は経鼻ワクチンを確保できず、接種できない」と言われてしまった。驚いてウェブを検索してみると、引っかかってくるのは、昨年支払った値段の2倍近い価格を提示しているクリニックばかり。

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