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記者の眼

“損税”問題より 実はコワイ?
未収金増加の引き金になりかねない消費増税

 皆さんご存知のように、消費増税が正式決定されました。2014年4月に、5%から8%に引き上げられます。

 開業医の先生方をはじめ、医療機関の経営者にとって、増税関連でまず気になるのは、いわゆる“損税”問題でしょう。現時点では、初・再診料、入院料など診療報酬における基本診療料への上乗せを軸に対応する方向となっており、あとは、MRIを用いた画像診断料など、設備投資時の消費税負担が大きい点数項目を引き上げるかどうかが論点となるとみられています。

 とはいえ、いわゆる“損税”により生じる医療機関側の負担が、診療報酬で過不足なく補填されるかどうかの保証はありません。診療報酬は基本的に診療「行為」への対価であり、「モノ」である医療機器などの仕入れとの間に必ずしも厳密な相関関係があるわけではないからです。

 そのため、医薬品購入価格や外注費の見直し、高額投資の前倒し実施などのコスト削減への取り組みが、今後、ますます活発になるでしょう。

2011年度の1病院当たり未収金は前年度比9.7%増
 医療機関に対する消費増税の影響は、“損税”問題にとどまらないかもしれません。間接的な影響として懸念されるのが、「未収金」の増加です。

 厚生労働省の2011年度「病院経営管理指標」の調査結果によると、同年度末現在の1病院当たりの未収金額は、前年度比9.7%増の5281万2000円(図1)。未収金の件数は1153件で同6.5%増となっています。景気低迷期のデータですので今後改善する可能性はありますが、その兆しはまだ見えていないのが現状のようで、取材先からも、「未収金が減っている印象はない」「生活が苦しいのか、年金の振込日やその直後に来院する高齢者が目立つ」といった声が、依然として聞かれます。

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