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 長崎県で整備が進む地域医療連携ネットワークシステム、通称「あじさいネット」。長崎県の21の基幹病院の患者の診療情報を、患者から同意を得るなどの条件を満たしたかかりつけの医師や薬剤師が、診療所や薬局のパソコンで閲覧できる。

 病院や診療所の医師、薬局の薬剤師が患者の診療情報を共有し、各施設における検査や診断、治療内容、説明内容を把握し合うことで、説明の齟齬や検査の重複が減り、質の高い医療が提供できると考えられている。13年8月15日時点で、あじさいネットへの登録を同意した患者は2万9273人。202施設が会員になり情報を閲覧している。

 同ネットはICTを活用した病診連携の成功例として有名だが、その中に32の薬局が参加していることを知る人は少ない。『日経ドラッグインフォメーション(DI)』2013年8月号には、薬局におけるあじさいネットの活用に関する記事を掲載した。

 調剤薬局の薬剤師は、処方箋内容と患者から聞く限られた情報だけで、調剤や服薬指導をしている。私は常々この仕組みが、薬剤師が職能を発揮する障害になっていると感じている。診断名や患者の状況がはっきり分からずに、正確で丁寧な服薬指導を行うには限界があると思うからだ。

 こうした中、あじさいネットでは、患者の同意が得られれば、調剤薬局の薬剤師が患者の病院での診療情報を閲覧できるようにしている。薬剤師が閲覧できる情報は病院によって異なるが、例えば、長崎医療センターが薬局に開示しているのは、(1)病名や既往歴、アレルギーの有無(2)医師の記載(診察記録)、(3)処方内容、(4)血液検査や画像検査など各種検査情報、(5)手術記録、(6)入院サマリー(入院中の看護記録)─などだ(図1)。

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