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 「最近の研修医や新人ナースには、ちょっと厳しく指導しただけでパワハラと言われかねないから、指導の際にはものすごく気を遣う」。

 近頃、医師や看護師として指導的立場になってきた友人と会うと、よく聞く話だ。

 ミスが多いなどの理由で厳しく注意したところ、次の日から来なくなってしまったり、ふてくされて険悪な雰囲気になったり。ひどいケースでは、ナースの親から勤務先に、苦情の電話が入ったりもするという。こうした話は昔から聞かれるものの、近年「パワハラ(パワーハラスメント)」という言葉が市民権を得た影響で、より一層、厳しい指導がやりにくくなっているというのだ。

「業務上必要な指導」なら問題ないとされるが……
 そもそも、パワーハラスメントはどのように定義されているのか。厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が2012年に報告した定義によると、職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」。上司と部下の関係だけでなく、「職場内の優位性」を背景に行われるものであれば、パワハラになる。例えば、先輩から後輩、年齢が上の職員から下の職員、特定の職種から別の職種(医師から看護師など)、集団による個人攻撃、常勤職員からパート職員――といったパターンだ。

 パワハラに該当する具体的な行為は表1の通り。暴力や名誉棄損、隔離、無視といった、業務上必要とは考えられない行為がその代表例だ。一方、業務上必要だと判断される指導であれば、基本的には問題ない。だが、業務上の指導との線引きがあいまいな「過大・過小な要求」などは、業務内容や職場環境などによってパワハラに該当するかどうかはケースバイケースになる。そのため、パワハラへの認識を職場で共有すべきとしている。

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