日経メディカルのロゴ画像

記者の眼

外来患者の9割を問診で診断できるようになるには

 主にプライマリ・ケアの外来患者を対象にした研究で、「問診で患者から詳しい情報を聞き出せば約86%は診断がつき、身体診察を行うと6%情報が増し、さらにX線検査や血液検査を行うともう8%情報が追加される」という報告があるそうだ。これは診断の9割近くが問診で付くことを意味する。

 診察や検査は問診で付いた診断を裏付ける場合がほとんどで、診断を変更するほどの情報をもたらすことは滅多にないということだろう。まれな病気が多い専門外来などでは、ここまで高い数字は得られないだろうが、問診がいかに重要かを裏付ける研究データである。

 では上手な問診を行うためにはどうすればよいか? 幸運なことに先人たちは臨床研究を行ってたくさんのエビデンスを提供してくれている。様々な疾患の有病率を調査したり、いろいろな所見の特性を調べてくれた。これにより診断の鍵になる質問が明らかになってきた。

 例えば、頭痛を訴える患者が外来を受診したとする。まず患者の年齢と性別だけでも診断の手がかりの第一歩だ。米国の有病率を調べたデータから、頭痛を訴える20代の女性では、約18%が片頭痛であるのに対し、60代の男性では片頭痛は約7%しかいない。

 次に尤度比の高い所見を調べると効率的だ。尤度比は、感度と特異度という従来の検査特性を用いて簡単に算出できる。

陽性尤度比(LR+)=感度/(1-特異度)
陰性尤度比(LR-)=(1-感度)/特異度

この記事を読んでいる人におすすめ