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自分自身の「お薬手帳」、持っていますか?

 薬局薬剤師向け媒体である日経ドラッグインフォメーション(DI)の編集に携わっているため、医師や薬剤師に取材する機会が多いのだが、取材で聞く話と、自分が患者として医療機関や薬局に行ったときの体験に大きなギャップがあることは、記者なら多かれ少なかれ経験しているものだ。しかし、「お薬手帳」の扱いの軽さはひどすぎないか。

 取材では「患者さんは自分が飲んでいる薬の名前を覚えていないことが多いので、診察のときは見せてもらうようにしています」とか、「お薬手帳で同じ薬が他からも処方されていることが分かって、患者さんに感謝されました」なんて話を、しょっちゅう聞く。取材先の医療機関や薬局には、お薬手帳のメリットを説明するポスターがたいてい貼ってある。だから、さぞ現場では活用されているのだろう、と思っていた。

 ところがいざ自分が患者となって、お薬手帳を持ってみたら、がくぜんとすることばかり。待合室に「お薬手帳をお持ちの方は医師に見せてください」との掲示があるのに、診察室で医師にお薬手帳を渡しても、せいぜいちらっと見るだけ。仕方がないから「別の病院でもらっているA薬が、先月からB薬に変更になりました」なんて口頭で説明する。お薬手帳に書いてあることなのに。

 薬局はもっとひどい。処方箋と一緒にお薬手帳を渡しているのに、投薬のときに「ほかに飲んでいるお薬はありませんか」と来る。お薬手帳、見てないの? 「別の病院でもらっているA薬が、先月からB薬に変更になったのですが、今日の薬との飲み合わせは大丈夫でしょうか」と聞くと、「お調べします」。やっぱり見てない! なのに今日の薬のシールは既に貼ってある。手帳を開いてシールは貼るのに、中は見ないのか。

 もちろん、こんな病院や薬局ばかりではないことは承知している。しかし、患者として、自分の薬の情報が記された手帳がこんなに軽く扱われることを体験すると、非常にがっかりしてしまうのだ。

 この状況を変えるために、ぜひ医療者の皆さんにやっていただきたいのが、「自分のお薬手帳を持つ」ことだ。

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