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記者の眼

医療機能評価機構が評価方法を大幅に見直した理由

 わが国で病院の機能評価を行っている公益財団法人・日本医療機能評価機構は、今年4月の受審分から評価方法を大幅に見直す。

 詳しくは『日経ヘルスケア』2012年12月号で紹介したが、例えば、これまで全病院に同じ評価項目を適用していたのを改め、「地域密着型の中小病院」「急性期医療中心の基幹病院」「慢性期病院」など病院の機能に応じて五つの区分を設けて、それぞれ別の評価項目を用いる仕組みにする。実地審査も、細かい評価項目を一つひとつチェックするやり方から、実際の症例を取り上げ、その診療の流れに沿ってポイントを確認していく方法に変える。

 日本医療機能評価機構が、評価方法の大幅な見直しに踏み切った背景に、受審病院数の伸び悩みがあるのは明らかだ。1997年度に58施設が認定を受けてから、認定病院数は伸び続け、2009年度末には2574施設を数えた。

 だがその後は頭打ちとなり、直近では2410病院(2012年12月7日)と減少している。「審査の手間や費用に比べて認定によるメリットが少ない」、「中小病院の運営の実態に評価項目がそぐわない」など、機能評価に対する病院の不満の声は多く、それが新規受審や更新の見合わせにつながっているからだ。

 今回の抜本的な見直しは、こうした声にある程度応えたもの。とりわけ、「地域密着型」の評価区分を設けたことで、中小病院には手厚い配慮をしたといえそうだ。

 では、見直しを契機に中小病院の受審・認定が増えるかというと、それは疑わしい。認定によるメリットの増大は、今後の取り組み次第だからだ。

 現在、病院機能評価の認定が算定要件に組み込まれている診療報酬は、緩和ケア病棟入院料と入院基本料の緩和ケア診療加算だけ。「入院料や再診料に加算を設けて評価してほしい」(民間病院事務長)という、現場の希望とは開きがある。その上、病院機能評価の医療界以外での知名度はまだまだ。認定による増患は期待しにくい。ビジネスマンの患者には、産業界の品質管理基準、ISO9000シリーズの方がよく知られている。

 今回の評価方法の大幅見直しを、認定病院数の増加という目に見える成果に結びつけるには、まずは日本医療機能評価機構が、診療報酬への反映や国民へのPRといった“宿題”をこなさなければならないだろう。

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