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 少々古い話で恐縮だが、私が所属する『日経ヘルスケア』では1999年に、「救急こそが中小病院の生き残り策」と題したリポートを掲載したことがある。

 「救急医療は不採算なのになぜ『生き残り策』?」と思われるかもしれないが、救急の採算性は救急外来だけでなく、そこから入院に至ったケースまで含めて考える必要がある。

 急性期病院は、平均在院日数を短縮させつつベッドを空けずに埋めていく、つまり病床回転率を高める努力が求められている。救急患者は入院に移行するケースが多いから、救急を強化することは新規入院患者を増やしベッドの回転率を高める上で有効だ――。99年の記事を要約すれば、こんな内容になる。

 この構造は今も全く変わっていない。ただ、当時、中小病院が確保しようとしていたのは、若年層を中心とした入院診療単価が比較的高い患者だ。疾患にもよるが、高齢者は診療単価が低くなりやすい上、入院期間が長期化するリスクがあるため敬遠されがちだった。

 ところがここ数年、風向きが明らかに変わりつつある。地域密着型の中小病院が、高齢者救急に積極的に取り組み始めているのだ。

 大きな理由は、高齢救急患者の増加。小児や成人の救急搬送数は2005年をピークに減少傾向にあるのに対し、75歳以上の高齢者は年々増加しており、2010年にはついに小児・成人を上回った(図1)。

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