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記者の眼

あなたの勤務先のホームページ、大丈夫ですか?

 厚生労働省が9月に公表した「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」、ご存知ですか? これ、よく読むと結構コワイ内容です。もし厳密に運用されれば、多くの医療機関のホームページ(HP)が行政指導の対象になってしまうかもしれません。

医師個人のブログも危ない!
 医療に関する広告は、医療法に規定された事項以外は禁止されています。しかし、医療機関のHPは、国民・患者が自らの意思で主体的に閲覧する情報であることから、不特定多数を対象とする広告として扱われず、医療法の規制の対象外となっています。

 その一方で、美容医療など自由診療を行う医療機関のHPに掲載されている情報などを巡り、患者と医療機関との間のトラブルは増加傾向にあります。こうした状況を受け、厚労省内の検討会でHPの内容についての議論が重ねられてきました。今回の指針は、検討会での議論をベースにまとめられたものです。

 指針の対象は、インターネット上の医療機関のHP全般。医師が個人的に開設しているブログなどは原則として対象としていませんが、勤務先の医療機関のHPへのリンクやバナーが張られているなど「両者が一体として運営されているような場合」は、個人のブログも、この指針を踏まえて運用するよう求めています。

 「一体として運営されているような場合」の判断基準は明示されていませんが、相互の関連が深いとみなされるブログの場合、その内容が指針に反していると、やはり行政指導の対象になってしまう可能性があるのです。

病院ランキングはNG
 HPは広告には該当しないため、「事実を掲載する分には問題ない」と思い込んでいる方もいらっしゃるでしょう。しかし、指針には、仮に事実であったとしても掲載すべきでない事項が多く例示されています。以下で、注意すべきポイントをいくつか紹介しましょう。

 指針の大きな目的は患者の不当誘引を防ぐことにあり、「優良誤認」につながる可能性がある内容は避けるように求めています。例えば、雑誌や新聞などに掲載されている病院ランキング。上位であることをことさら強調すると、医療の内容で他の医療機関よりも優良だと表現していることになり、指針に触れます。また、その医療機関の患者である著名人の推薦文などを掲載しても、やはり「優良誤認」に当たる恐れがあります。

 「虚偽」に当たる内容もNGです。要注意例として挙げられるのが日帰り手術。術後に経過観察のための通院が必要であるにもかかわらず、HP上に「1日で治療が完了します」などと記すと、指針に抵触してしまいます。指針にはこのほかにも、「えっ? それもダメなの…」という事項がたくさん例示されています。

 指針の内容は、「日経ヘルスケア」10月号でも詳しく解説しました。開業医の先生方は、ご自身のクリニックのHPの内容を一度ご確認されることをお薦めします。また、勤務医の先生方も、勤務先病院のHPや、ご自身のブログのリンク先病院のHPをご覧になってみてください。

 危なっかしい表現が、いくつも見つかるかもしれませんよ。

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