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 高齢の親戚が手術を受けるため、都内の大学病院に何度か足を運んだ。この大学病院は、実家のある市から比較的近いので、子供の頃から何度も来ている。祖母が亡くなる前お世話になったのも、母が怪我をして手術したのも、ここだった。

 暗くて、混んでいて、居場所がない。そんな印象しかなかった場所だが、久しぶりに来てみると、建物こそ古いけれど、フロアは隅々まで明るく、患者やその家族が座って話せる談話スペースがあちこちに設けられ、はるかに居心地のよい空間になっていた。しかし、1つだけ不思議に思ったことがある。

 病棟の廊下を眺めていると、さまざまな服装のスタッフが通る。まず、(1)コートタイプの白衣を着た人。次に(2)白やパステルカラーの上下を着た女性。このほか、(3)スクラブに似た形の柄物の上衣(目新しく感じた)に、色無地のズボンを合わせた女性(たまに男性も)が大勢いた。

 動き方や会話の内容から、(1)は医師、(2)は看護師、(3)は、迷ったけれど、数から言って看護師だろうと当たりを付けた(外科医も含まれているかも知れない)。

 しかしどうしても職種が分からなかったのが、ケーシーとそろいのズボンをはいた男性。彼はよくナースステーションにいたので、看護師かと思ったのだが、当の患者(80歳代)もその妻(70歳代)も、服装で判断したのか「先生、先生」と呼び、彼もそれを否定しない。

 だが、すっかり彼を医師と思い込んでいる患者夫婦が、手術の説明はいつになりますか? 薬が遅れているようですが、などと話しかけても、「大丈夫」「待っててね」などと軽くあしらわれるばかり。患者もだんだん不満が募り、彼のことを敬遠するようになってしまった。

 看護師と医師を区別できないと困るのではないだろうか。少なくとも患者は困る。とはいえ、面と向かって「失礼ですが、あなたはお医者様ですか?」とはなかなか聞けないもので、とうとう4日間、分からずじまいで退院の日を迎えた。

 この病院だけかと思い、ネットで検索すると、医療機関のサイトで「医師と男性看護師の区別が付かないので、ユニフォームを作りました」「看護師と医師の区別がつかないという苦情があり」といった記述を多数発見…。皆さんの職場ではどうですか?

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