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骨粗鬆症治療薬の用法・用量に注意喚起
薬局ヒヤリ・ハット、経口薬と皮下注の重複処方など3事例を公表

 日本医療機能評価機構は2021年6月2日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例「2021年No.5」を公表した。ベネット (一般名リセドロン酸ナトリウム水和物)錠の服用中に、同効薬のテリボン (テリパラチド酢酸塩)皮下注が処方され、処方医への情報提供により処方削除となったケースなど3事例を報告し、注意を促した。

 紹介された事例では、ベネット錠75mgを継続服用している患者に、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターが処方された。両薬剤の併用は添付文書上禁忌ではないものの、薬剤師が骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」を確認したところ、テリパラチドとビスホスホネート製剤の併用効果はみられていないとの記載があるため、処方医に情報提供した結果、ベネット錠が削除になった。

 本事例が起こった要因としては、処方医によるベネット錠75mgの中止指示が漏れたためと考えられる。日本医療機能評価機構は、骨粗鬆症の治療は内科や整形外科などの複数の診療科で行われることや、近年、作用機序や剤形の異なる様々な薬剤の投与が可能になったことから、成分や薬効が重複する薬剤が処方されるケースが継続して報告されており、今回のケースにおいても要否を検討する必要がある、としている。

 「2021年No.5」ではその他、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターが処方された患者の服薬歴を聴取したところ、8年前に別の医療機関で同一成分であるフォルテオ (テリパラチド)皮下注キット600μを使用期間の上限である24カ月間使用していたことが判明。処方医に情報提供を行った結果、テリボンが削除になったケースなどを紹介。

 機構は、骨粗鬆症治療薬の重複処方を回避するためには、保険薬局で調剤する薬剤だけでなく、医療機関で投与される注射薬なども含め、患者が服用または使用している全ての薬剤の一元的・継続的な管理が重要である、としている。


【参考資料】
日本医療機能評価機構:薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例「2021年No.5」

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