DI Onlineのロゴ画像

薬局ヒヤリ・ハット、軟膏の配合変化や相互作用など3事例を公表
軟膏の混合による含量低下に注意喚起

 日本医療機能評価機構は2021年5月6日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例「2021年No.4」を公表した。2種類の軟膏が混合の指示で処方されたものの、薬剤師が、両剤の混合により含量が低下する可能性が高いことに気付き処方変更に至ったケースや、併用薬の有無を確認したことでOTC薬の不適切な服用を回避できたケースなど、3事例を報告し、注意を促した。

 紹介された事例では、マイアロン軟膏0.05%(現在の販売名はクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「MYK」)とオキサロール軟膏25µg/g(一般名マキサカルシトール)が混合の指示で処方されたケースについて、薬剤師が基剤や主成分を確認し、混合の適否を検討したところ、両剤の混合により含量が低下する可能性が高いことが判明した。処方医に連絡し、マイアロン軟膏0.05%と有効成分が同じであるデルモベート軟膏0.05%(クロベタゾールプロピオン酸エステル)への処方変更を提案し、了解を得た。

 本事例が起こった要因としては、先発医薬品のデルモベート軟膏0.05%はオキサロール軟膏25µg/gとの混合が可能であるため、処方医が後発医薬品のマイアロン軟膏0.05%も混合可能だと判断した可能性がある。

 日本医療機能評価機構は、軟膏やクリーム剤は単独で安定性や安全性を評価されており、混合や希釈を目的として開発されていないため、混合・希釈する際には細心の注意を払う必要があると指摘。有効成分が同一であっても、基剤や添加物、剤形などの違いにより混合の適否が異なる場合があるため、混合指示がある際は薬剤ごとに配合変化を確認する必要があるとしている。
 
 「2021年No.4」ではその他、ベルソムラ錠15mg(スボレキサント)1日1錠で処方された70歳代の患者のお薬手帳を確認したところ、他院から呼吸器疾患に対してクラリス錠200(クラリスロマイシン)が処方されていることが発覚。ベルソムラとクラリスは併用禁忌であるため、処方医に疑義照会を行い、デエビゴ錠2.5mg(レンボレキサント)1日1錠へ変更になったケースが報告された。

 また、降圧薬が処方された患者に併用薬の有無を確認したところ、腰を痛めたため自宅にあったリングルアイビーα200(指定第2類医薬品)を服用していることを聴取。同薬の添付文書には、高血圧の治療を受けている人は服用しないことと記載されているため、患者に服用を中止するよう伝え、不適切な服用を回避できたケースが報告されている。

【参考資料】
・日本医療機能評価機構:薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例「2021年No.4」

この記事を読んでいる人におすすめ