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相次ぐ後発品企業の業務停止命令についても言及
安定確保医薬品、薬価の在り方が今後の課題に
厚労省「量から質へ転換、安定確保が担保できない事業者は退出を」

 厚生労働省は2021年3月26日、第5回「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を開催し、506成分の安定確保医薬品のリスト案を提示した。内容は構成委員に了承され、最終的に取りまとめたリストを、30日に同省ウェブサイトで公開した。

 安定確保医薬品は、(1)ワルファリンカリウム(商品名ワーファリン他)やメトトレキサート(メソトレキセート他)、セファゾリンナトリウム(セファメジン他)など最も優先して対応を図る21成分、(2)トルバプタン(サムスカ)やエベロリムス(サーティカン、アフィニトール)、テモゾロミド(テモダール他)など優先して取り組む29成分、(3)安定確保医薬品456成分——の3つのカテゴリに分類され、各薬剤の薬価の在り方については今後、中医協で議論される。

 安定確保医薬品とは、医療上必要不可欠であって、汎用され安定確保が求められる医薬品。我が国の安全保障上、切れ目のない医療供給のために必要で、安定確保について特に配慮が必要とされるもので、20年9月に公表された同会議の取りまとめの中で、国として初めてその定義を示した。ただし、安定確保医薬品については薬価に関するルールが決まっていない。

 現在、医薬品の安定供給を確保するための薬価上の措置としては、医療上の必要性が高いが、採算がとれず供給困難になった医薬品の薬価を引き上げる「不採算品再算定」、剤形ごとにかかる最低限の供給コストを確保するため、成分に関係なく剤形ごとに設定した「最低薬価」、長期間臨床現場での使用実績があり、医療上必要性の高い「基礎的医薬品」の薬価を維持するルールがある。

 安定確保医薬品の薬価の在り方について、厚労省は「現行のルールにある基礎的医薬品や不採算品再算定などとの整合性を含めて検討していく」とした。日本薬剤師会副会長の安部好弘氏は「21年度中間年改定において、最も優先して取り組みを行う安定確保医薬品21成分の品目であっても薬価の引き下げを受ける状況にあり、現行のルールでは安定確保医薬品が不採算にならないようにするための薬価算定の仕組みはない」と指摘した。

 また、この日の会議では、厚労省が医療用医薬品の供給不足時の対応スキームを提示した。

 医薬品の不足が発生または疑われる企業から、供給不足の品目と同一成分の製造販売企業およびシェア等、当該企業での在庫量、当該企業における製造委受託等の状況など必要な情報が得られる場合は、厚労省医政局経済課が情報を確認し、当該企業は必要な対応を実施する。必要な情報が得られない場合は、業界団体がこれらの情報を同課に提出するといった民官連携のスキームとなっている。一方で、構成委員からは供給問題が生じた際に、医療現場では代替薬の有無だけでなく詳細な製品情報も必要であるとの意見も出された。厚労省はこうした意見などを踏まえスキーム案を今後さらに詰めていく方向だ。

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