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寄稿◎京大SPH薬局情報グループが薬局向け動画と資材を公開
薬局で緊急避妊薬を扱うために必要な知識は?

2020/12/03
岡田 浩=京都大学SPH健康情報学薬局情報グループ

 緊急避妊薬(Emergency Contraceptive pill:EC)は重篤な副作用がなく、その有効性は性行為後72時間以内であり、服用が早いほど有効性が高いことから、世界90カ国以上で薬局での購入が可能です1)。世界保健機関(WHO)は、女性のリプロダクティブ・ヘルスの権利(Reproductive health rights)の観点から緊急避妊薬について重要性と安全性についてウェブサイト上で情報を公開しています2)

 国内でも、緊急避妊薬であるノボノルゲストレル(商品名ノルレボ他)を薬局で販売することは検討されてきたものの、「簡単に手に入るようになれば、適切な避妊が行われなくなる」「性犯罪被害が疑われるケースに対して、十分な対応ができない」などの理由で、「時期尚早」として見送られてきました。

 アクセスの問題に対しては、2020年からオンライン診療による処方で利便性を向上させることになりました。しかし実施は、「対面診療が困難な場合」や「産婦人科医または研修を修了した医師」に限定され、薬局も医師による研修会を受講する必要があるなどの要件が付きました3)。そのため、市民の利便性の向上にはつながらないと、薬局での販売を求める署名活動も行われています。そうした中、2020年10月8日に内閣府から、薬局において緊急避妊薬を処方箋なしで販売することを検討するとの発表があったのです4)

 薬局では、緊急避妊薬の処方箋を受ける場合であっても、薬局で販売する場合であっても、患者・購入者に確認、情報提供することに変わりはありません。できるだけ多くの薬局が緊急避妊薬を扱えるようになれば、市民の利便性向上につながります。そのためには、知識を持った薬剤師を急速に増やす必要があります。

 一方で現在、新型コロナウイルス感染拡大のため、多人数を集めた研修の実施は困難です。また、緊急避妊薬の投薬に望ましいと思われる子育て世代の女性薬剤師は、休日に研修を受けることは難しいことも問題だと考えました。

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