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日病薬の手引きを参考に作成
NPhAが「地域医療連携の手引き」を公表
対面だけでなくICTを活用した連携を

 日本保険薬局協会(NPhA)は2020年10月15日、「地域医療連携の手引き(薬局版)Ver.1」を公表した。日本病院薬剤師会が20年4月に医療機関の薬剤師が薬局薬剤師などと連携する際の手引きを公表したことを踏まえ、薬局薬剤師が医療機関やその他の医療従事者との連携を図ることを目的として作成した(関連記事:日病薬が「地域医療連携の手引き」を公表
)。

 持続可能な社会保障を確保するため、「病院完結型医療」から切れ目のない医療を地域全体で支える「地域完結型医療」への転換が求められている。その中で薬局薬剤師は、地域の医療機関や介護事業所などと連携を図りながら、地域の薬物療法をシームレスに支援することが重要となる。

 手引きは、(1)地域医療連携について、(2)薬局と医療機関における地域医療連携の実際、(3)地域医療連携を充実させるために、(4)教育・研修体制──の4つの章から成る。

 (1)では、地域医療連携の考え方として、従来は対面を基本としてきたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いウェブ会議システムなどの ICT を活用した新たな連携も広がってきているため、今後は信頼関係が構築されていることを前提に、ICT を活用した連携を図っていくことが求められるとしている。

 地域医療連携のためのツールとして、(a)お薬手帳、(b)オンライン資格確認、(c)薬剤管理サマリー、(d)服薬情報等提供書(トレーシングレポート)、(e)患者の重複投薬等に係る報告書、(f)医療介護連携システム(多職種連携システム)――を紹介。

 オンライン資格確認は、マイナンバーカードの IC チップまたは健康保険証の記号番号などにより、オンラインで資格確認が可能となるシステムのことで、21年3月に運用が開始される。今後は、患者の同意を得た上で薬剤情報を閲覧することも可能になるため、一元管理という観点から安全で質の高い医療に資することが期待される。

 (2)では、外来、入院時、退院時における地域医療連携の運用例を紹介している。例えば外来では、服薬情報等提供書・患者の重複投薬等に関わる報告書の活用や、検査値などの患者情報の共有、薬局と医療機関間での事前の取り決め(残薬調整、剤型の変更など)により問い合わせを簡素化するプロトコルの推進、外来化学療法レジメンなどの情報共有――を提案している。

 (3)では、医療機関の地域連携部門の活用法を紹介。地域の医療機関と連携を構築しようとする薬局は、薬剤部門の他に地域連携部門が重要な窓口となり、地域連携部門は地域の医療機関同士の調整を行う部門のため、多くの重要な情報を把握している。医療機関が研究会などのイベントを開催する際は、地域連携部門から医師会や薬剤師会などへ発信されることが多いため、積極的に参加し顔の見える関係づくりに役立てることを提案している。

 また、(4)の教育・研修体制では、医療関係者のみならず、介護・福祉、行政、地域住民なども交えて、地域の共通の課題を共有しその課題解決へ向けた体制を構築していくことが重要とし、薬局薬剤師の関わりが期待されるものとして、(a)地域包括ケアシステムに係る研修、(b)地域ケア会議への参加、(c)看護・介護スタッフへの教育研修、(d)薬局と医療機関間の連携に関する教育研修、(e)麻薬持続皮下注射や在宅中心静脈栄養法の教育・普及、(f)未来を担う薬剤師の育成――を挙げ、それぞれの意義について記載している。

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