
杏雲堂病院の大谷道輝氏
DI Onlineで、「 後発品をどう選ぶ2019」という記事を読みました。薬剤師が後発医薬品の新規採用時に重視するポイントとして、供給の安定性のほか、どの企業の製品か、薬局で扱いやすいかなどの回答が上位にランクインしていました。しかし、私はそれ以前の問題として、現場の薬剤師が後発品に関わる情報収集を適切に行った上で、選択や患者への推奨を行う必要があると感じています。特に外用薬の後発品に関しては情報が少なく、選択は慎重に行うべきです。
我が国では、後発品の品質の信頼性を確保するため、学会や論文などで問題が指摘された後発品については、2008年に国立医薬品食品衛生研究所が組織した「ジェネリック医薬品品質情報検討会」(以下、検討会)において再評価を行う仕組みが存在します。最近では、問題の指摘の有無に関わらず、錠剤を中心に多くの後発品の溶出試験が薬効別に行われています。
検討会で検証された品質再評価結果のほか、後発品の生物学的同等性(BE)試験結果や溶出試験結果などの種々のデータは、医療用医薬品最新品質情報集(いわゆる、ブルーブック)にまとめられ、2017年から国立医薬品食品衛生研究所のウェブサイトで公開されています。現時点で最も有用な情報源であり、後発品の選択に関わる薬剤師には必ず目を通してもらいたいと思います。